抗体の世界市場（2025年～2033年）：種類別（モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体薬物複合体）、用途別（オンコロジー、自己免疫疾患、感染症、神経疾患、その他）、地域別

• 英文タイトル：Antibodies Market Size, Share & Trends Analysis Report By Type (Monoclonal Antibodies, Polyclonal Antibodies, Antibody Drug Conjugates), By Application (Oncology, Autoimmune Diseases, Infectious Diseases, Neurological Diseases, Others) and By Region(North America, Europe, APAC, Middle East and Africa, LATAM) Forecasts, 2025-2033

• レポートコード：SRPH56841DR • 出版社/出版日：Straits Research / 2025年1月 • レポート形態：英文、PDF、約120ページ • 納品方法：Eメール（受注後2-3日） • 産業分類：医薬品

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レポート概要

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世界の抗体市場規模は2024年に2,437億3,000万米ドルと評価され、2025年に2,717億6,000万米ドルから2033年には6,931億5,000万米ドルに達し、予測期間（2025年から2033年）には年平均成長率12.4%で成長すると予測されています。

免疫グロブリンとしても知られる抗体は、適応免疫システムの重要な構成要素です。抗体は、免疫反応を引き起こす外来分子である抗原の存在に反応して、白血球の一種である B 細胞によって産生されます。抗体は、特定の抗原と結合すると、有害物質を中和したり、他の免疫細胞による除去を促進したり、細胞内に侵入して損傷を与えるのを防いだりすることができます。

レポート目次

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診断分野では、抗体は ELISA（酵素免疫測定法）、ウエスタンブロッティング、迅速抗原検査などの検査に広く使用されています。これらの検査は、血液中の特定の抗原や抗体の存在を検出し、感染症、自己免疫疾患、特定の癌の診断に役立っています。

治療分野では、抗体はさまざまな疾患の治療に使用されています。単一の抗体の同一コピーであるモノクローナル抗体は、特定の分子や病原体を標的とするように設計されています。モノクローナル抗体は、がん、自己免疫疾患、COVID-19 などの感染症の治療に有効であることが証明されています。

抗体市場の拡大を推進する主な要因は、世界的ながんおよび自己免疫疾患の増加、診断および研究分野での用途の拡大、個別化医療の需要の高まり、抗体エンジニアリングの進歩、バイオテクノロジーおよび研究開発への投資の増加、複合療法への取り組みの増加、規制面での支援、および資金援助を含む政府の取り組みです。

抗体市場の動向

結合療法の採用

抗体薬物複合体（ADC）の活用拡大は、市場成長を牽引する主要なトレンドです。ADCは、転移性乳がん、B細胞リンパ腫、転移性尿路上皮がんなど、さまざまながんの管理においてますます不可欠となっています。これらの標的療法は、抗体の精度と細胞毒性薬の有効性を組み合わせ、がん細胞に直接治療を届けながら健康な組織への損傷を最小限に抑えます。

特に、ADCsの売上高は著しい成長を遂げています。例えば、Enhertuの売上高は2022年の$602百万から2023年に$1.28億へと113%増加しました。同様に、ポリヴィの売上高は2022年の$4億5,789万ドルから2023年には$9億3,158万ドルへと103%増加しました。この大幅な売上高の増加は、腫瘍学分野におけるADC療法の受け入れと需要の拡大を明確に示しています。

抗体エンジニアリングの新たな進歩

抗体エンジニアリングは、より効果的な抗体療法の開発において極めて重要です。最近の進歩により、抗体の構造に関する理解を深め、開発を加速するための、人工知能（AI）などの革新的なツールが統合され、この分野は大きな変化を遂げています。

• 例えば、スタンフォード大学の研究者は、分子変化をより迅速かつ正確に予測する機械学習ベースの手段を先駆的に開発しました。この画期的な技術は、タンパク質の骨格の 3D 構造と、アミノ酸配列に焦点を当てた大規模言語モデルを組み合わせて活用しています。このような進歩により、より正確で効率的な抗体医薬品の開発が可能になります。

抗体エンジニアリングにおけるこうした革新の進展は、市場に大きな影響を与え、より効果的な製品の発売を促進し、未来を形作っています。

抗体市場の成長要因

がんおよび自己免疫疾患の増加

がんおよび自己免疫疾患の増加は、市場成長の主要な要因です。抗体、特に抗体薬物複合体（ADC）とモノクローナル抗体は、がんおよび自己免疫疾患に対する標的療法の提供に不可欠です。これらの疾患の発生率が継続的に増加するにつれ、抗体ベースの治療法への需要も増加しています。

例えば

• 国立保健研究所（NHC）の報告によると、米国では約5,000万人が自己免疫疾患に罹患しており、年間3~12%の増加率を示しています。
• 同様に、世界保健機関（WHO）は2022年に世界で2,000万件の新規がん症例が発生したと推計しています。

この増加する疾患負担は、効果的な抗体療法の需要を後押しし、市場拡大を促進しています。

診断分野における抗体の採用拡大

抗体は診断分野でも注目され、市場の成長をさらに後押ししています。抗体は、抗原を特異的に標的とし、結合する能力があるため、高精度の診断結果を得ることができます。治療用途に加え、診断分野での役割が拡大していることで、抗体は医療分野での地位を固めています。

• 2023年11月にAmoyDxとCSTが精密がん治療向けのコンパニオン診断（CDx）開発で提携を拡大したことは、その代表例です。この提携は、標的療法の適応患者を特定するための診断アッセイの開発に焦点を当てています。

抗体ベースの診断アッセイの開発への投資増加は、今後も市場成長を後押しすると予想されます。

市場制約要因

製品リコールのリスクが高い

製品回収のリスクは、収益の創出と消費者信頼の両方に影響を与えるため、抗体市場にとって重大な課題です。米国食品医薬品局（FDA）は、安全性や有効性に関する懸念から、複数の抗体製品を回収しています。

• 例えば、2022年11月、GSKはFDAの要請を受け、無増悪生存期間（PFS）の主要評価項目を達成できなかったため、Belantamabを米国市場から回収しました。同様に、アストラゼネカは2023年7月、使用量が不十分であるとして、米国市場からモクセツモマブを回収しました。

これらの回収は、関連企業の財務成績に影響を与えるだけでなく、抗体療法の安全性や有効性に対する信頼を損ない、市場成長の鈍化や将来の治療法開発の妨げとなる可能性があります。

抗体市場における機会

バイオテクノロジーと研究開発（R&；D）への投資増加

バイオテクノロジー分野は、化学合成製品よりも生物学的製剤への需要が高まり、急成長を続けています。この急成長により、主要市場プレーヤーや投資家は、バイオテクノロジーおよび関連研究開発（R&；D）への投資を加速しています。抗体はバイオテクノロジー産業の基盤であるため、こうした投資は市場に直接的な恩恵をもたらしています。

• 例えば、2024年9月、Arch Venture Partners は、初期段階のバイオテクノロジー企業の開発を支援するために30億米ドルを超える資本基金を設立すると発表しました。Arch Ventures は、AI とデータに基づく生物学的知見が、より予防的、治療的、かつ公平な医療システムの推進に役立つと強調しています。

このような投資は、貴重な機会を生み出し、市場の成長をさらに促進し、革新的な抗体ベースの治療法の開発を推進しています。

地域別見通し

北米:48.03% の市場シェアを誇る支配的な地域

北米は、いくつかの重要な要因により、世界市場で最大の収益シェアを占めています。この地域は、モノクローナル抗体や抗体薬物複合体などの先進的な治療へのアクセスを可能にする、確立された医療制度の恩恵を受けています。また、この地域では癌や自己免疫疾患の有病率が高いため、効果的な治療に対する需要が非常に高まっています。

さらに、研究開発（R&D）への投資増加が、新規抗体療法の革新と承認を加速しています。Bristol-Myers Squibb、Merck & Co.，Inc.、Regeneron Pharmaceuticals，Inc.などの主要製薬企業の存在が、市場をさらに強化しています。

アジア太平洋地域：中国、日本、インドで急速な成長

アジア太平洋地域は、がん発症率の増加を背景に、最も高い年平均成長率（CAGR）を記録すると予測されています。アメリカがん協会（ACS）の推計によると、2022年に世界のがん患者の49.2%がアジア太平洋地域に集中しています。さらに、医療意識の高まり、治療へのアクセス改善、研究開発および製造施設への投資の増加も、市場の拡大を後押ししています。これらの要因と、バイオテクノロジーの革新への注目度の高まりが相まって、アジア太平洋地域は、世界の抗体市場の将来の成長において重要な役割を果たす地域となっています。

各国別動向

• 米国 – 米国市場は、その先進的な医療制度、多額の研究開発投資、強力な規制支援により、市場をリードしています。例えば、2024年9月には、モノクローナル抗体である Dupixent が慢性閉塞性肺疾患（COPD）の治療薬として承認されました。このような製品の承認は、正確な疾患管理を可能にし、市場の成長を促進し、米国を抗体イノベーションのハブとして確立し、治療選択肢を拡大しています。
• カナダ – カナダの抗体市場成長は、バイオテクノロジーへの政府投資に支えられています。例えば、2023年5月、カナダ政府はAbCelleraの$701百万ドルのプロジェクトに$225百万ドルを拠出しました。このプロジェクトは、高度な前臨床抗体開発施設を備えたバイオテクノロジーキャンパスを設立するものです。これらの投資は、革新的な抗体ベースの療法の開発能力を強化し、市場拡大を加速させます。
• ドイツ – ドイツの強力な医療制度と、革新的な診断法や治療法に対する需要が、この市場の成長を推進しています。研究開発センターへの多額の投資が、バイオ医薬品の進歩を後押ししています。例えば、2024年4月、メルク社は、抗体、mRNA アプリケーション、およびバイオ医薬品製品の開発に焦点を当てたライフサイエンス研究センターに 3億957万ドル以上を投資し、イノベーションと市場の成長を促進しました。
• 英国 – 英国の市場は、規制面の支援と先進的な製品の承認により拡大しています。例えば、2023年10月、医薬品・医療製品規制庁（MHRA）は、化学療法と併用する子宮内膜がん治療用モノクローナル抗体「Jemperli」を承認しました。このような承認は、患者ケアの向上と市場の成長軌道の強化につながります。
• フランス – フランスでは、がん治療の改善と腫瘍学および慢性疾患への資金投入拡大を政府が推進しており、抗体市場を牽引しています。例えば、2024年8月、フランス政府はImCheck社に対し、同社の最先端の薬物候補であるT細胞活性化モノクローナル抗体の開発に$22.35百万ドルを資金提供しました。このような資金提供は、フランスの市場成長に影響を与えています。
• 中国 – 中国では、がん患者の増加が抗体市場の成長を牽引しています。がん患者の増加に伴い、正確な診断と治療アプローチが求められており、抗体はがんを検出・治療するための唯一の標的療法です。例えば、NIHの推計によると、2024年に中国で推定された新規がん患者数は3,246,625人で、肺がんの発生率が最も高かったです。
• インド インドの抗体産業は、主要企業による疾患特異的な製品の発売により拡大しています。例えば、2024年3月、Roche Pharma India は、同国における重要な医療ニーズに対応する、視力喪失治療用の二重特異性モノクローナル抗体「Vabysmo（ファリシマブ）」を発売しました。これらの発売は、疾患特異的な需要を満たし、市場の成長に貢献しています。

セグメント分析

世界の抗体市場は、種類と用途に分類されます。

種類別

モノクローナル抗体（mAb）セグメントは、世界の抗体業界をリードし、最大の収益シェアを占めています。この優位性は、抗原上の単一のエピトープのみを標的とする mAb の高い特異性により、その有効性が強化されていることに起因しています。さらに、米国食品医薬品局（FDA）による複数の mAb ベースの製品の承認により、その使用がさらに促進されています。例えば、2022年には、13種類のモノクローナル抗体が米国とヨーロッパの両方で初めて承認され、治療選択肢が拡大し、市場の成長が加速しています。

用途別

がん分野は、主にがんの発生率の上昇により、世界市場で最大の収益源となっています。がんの症例数が増加し続ける中、抗体、特にモノクローナル抗体や抗体薬物複合体による効果的な治療法の需要が高まっています。アメリカがん協会によると、2024年に米国で推定2,001,140件の新規がん症例が予想されており、この増加する健康問題に対応するための標的抗体療法の緊急性が浮き彫りになっています。

抗体市場における主要企業一覧

1. AbbVie Inc.
2. AstraZeneca
3. Bayer AG
4. Biogen
5. Bristol-Myers Squibb Company
6. Lilly
7. GSK plc.
8. Johnson & Johnson Services，Inc.
9. Merck & Co.，Inc.
10. Novartis AG
11. Pfizer Inc.
12. Regeneron Pharmaceuticals，Inc.
13. F. Hoffmann-La Roche Ltd
14. Sanofi
15. Takeda Pharmaceutical Company Limited

企業別市場シェア

市場の主要企業は、製品パイプラインの強化、イノベーションの加速、グローバルな事業展開の拡大を目的として、戦略的提携、買収、パートナーシップを積極的に推進しています。これらの戦略により、先進技術へのアクセス、研究能力の強化、アンメットメディカルニーズへの対応が可能になります。

ProteoGenix：グローバルな抗体市場の新興プロバイダー

ProteoGenix は、発見、開発、生産に及ぶ革新的かつ包括的な抗体サービスで知られる、市場の新興企業です。同社は、ファージディスプレイやハイブリドーマ開発などの先進技術を駆使して、多様な用途向けの高親和性抗体を作成する、カスタム抗体ソリューションを専門としています。

最近の動向

• 2022年7月、 ProteoGenix は、最先端のファージディスプレイ、抗体開発、およびバイオ生産プラットフォームの急速な成長と発展に対応するため、研究開発施設を大幅に拡張し、生産能力を2倍に増強しました。この拡張には、サービス能力と処理能力の強化を目的とした、最先端の設備と高度な技術の統合も含まれています。

最近の動向

• 2024年11月 – Precision Biologicsは、テキサス州ヒューストンで開催されたがん免疫療法学会（SITC）の会議で、新しいモノクローナル抗体PB-223の開発を発表しました。この新規抗体は、特定のがん抗原を標的とする設計で、がん治療に高い標的性を提供するものです。
• 2024年11月 – Aditum BioとLeads Biolabsは、自己免疫疾患の治療を目的としたトリスペシフィックT細胞エンゲージメント抗体の開発に特化した合弁会社Oblenio Bioの設立を発表しました。この革新的なトリスペシフィック抗体は、T細胞の活性を精密に調節するように設計されており、複雑な自己免疫疾患に対する新たな治療アプローチを提供します。

アナリストの見解

当社のアナリストによると、抗体エンジニアリングの進歩、癌や自己免疫疾患の有病率の増加、診断および治療における抗体ベースの治療法の採用拡大を背景に、世界の抗体産業は急速に拡大しています。開発コストの高さ、厳しい規制要件、信頼や収益に影響を与える製品のリコールが時折発生するなどの課題はありますが、市場は引き続き活況を呈しています。

さらに、抗体開発における AI などの革新的な技術の台頭、研究開発への多額の投資、戦略的提携も成長を後押ししています。アジア太平洋地域の新興市場や、ADC や二重特異性抗体などの先進的な抗体の採用も、さらなる機会を拡大しています。この力強い勢いは、市場の回復力、そして世界の医療課題に対処する上で市場が果たす重要な役割を浮き彫りにしています。

抗体市場のセグメント化

種類別（2021年~2033年

• モノクローナル抗体
• ポリクローナル抗体
• 抗体薬物複合体

用途別（2021-2033）

• 腫瘍
• 自己免疫疾患
• 感染症
• 神経疾患
• その他

目次

エグゼクティブサマリー

調査範囲とセグメンテーション

市場機会の評価

市場動向

市場評価

規制の枠組み

ESG の動向

世界の抗体市場規模分析

1. 世界の抗体市場紹介
2. 種類別
   1. 紹介
      1. 種類別金額別
   2. モノクローナル抗体
      1. 金額別
   3. ポリクローナル抗体
      1. 金額別
   4. 抗体薬物複合体
      1. 金額別
3. 用途別
   1. 紹介
      1. 用途別金額別
   2. オンコロジー
      1. 金額別
   3. 自己免疫疾患
      1. 金額別
   4. 感染症
      1. 金額別
   5. 神経疾患
      1. 金額別
   6. その他
      1. 金額別

北米市場分析

ヨーロッパ市場分析

アジア太平洋市場分析

中東およびアフリカ市場分析

ラテンアメリカ市場分析

競争環境

市場プレーヤーの評価

調査方法

付録

免責

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